※読む時の推奨BGM:ゆず「夏色」
あるスポ部員の、スコバイ期間中のよくある一日を紹介します。
夏のスコバイはいつもこんな感じでお仕事してるのです。
7月○日 晴れ 本日は内勤。
6:00 起床。一番時間を贅沢に使える大学生のはずなのに、夏休みのラジオ体操に行く小学生と同じ時間に起きる。
目を覚ますためにまずお風呂に入る。低血圧気味ゆえの朝の習慣。
着替えて、化粧して、あー時間がない。家で朝食までとれればいいんだけど、今日もまた途中で買って持って行くことになりそう。
髪もろくに乾かさないまま、バタバタと家を飛び出した。
7:00 駅へ向かう。家から駅までは近い方なんだけど、いつもギリギリに出てダッシュする羽目になる。性格的なものかしら。
途中コンビニに寄って光の速さで朝食を購入。ていうかウィダーインゼリーだったりする(汗)もっとちゃんとしたもの食えー!
7:20 無事に電車に乗れた。通勤通学の時間帯だから人は多いけど、一駅で乗り換えだから我慢。
カーブで揺れても負けない!踏ん張ってしっかり立ってる!(でも時々よろめく…)
7:30 一駅で乗り換え。乗り換える路線は電車の本数が少なく、一本逃すと次は10分後。だから最初に最寄り駅で乗り遅れると悲惨。
次に降りる駅での乗り換え口を考え、真ん中あたりの車両に乗る。皆考えは同じで車内はけっこう混む。
今日は運良く座れた。ラッキー♪発車までにさっき買ったウィダーインゼリーをこっそり飲む。お行儀悪くてゴメンナサイ。
降りる駅は終点。乗車時間は10分ちょっとなんだけど、乗り過ごす心配はないので安心して眠る。
7:40 再び乗り換え。ここでの乗り継ぎがまた悪くて、いつも私の乗ってきた電車が到着すると、目的の電車が発車。ああ…。
ちょっとイライラしながら次の電車を待つ。あと数駅が遠い…
7:55 どうにか目的地に到着。ここから支局までは駅からまっすぐ一本道で、近いしわかりやすい。
もう一本早い電車に乗れた日は、改札出てすぐのパン屋さんで朝食のパンを買って行くこともある。
駅ビル内のお店は夏のバーゲンの真っ最中。気になるけど行く時間がない。
いつもここを開店前に通り過ぎ、帰りに再び通るのは閉店後。
可愛い服や靴やカバンの飾られたショーウインドウを恨めしげに横目で見つつ、支局へと向かう。
8:00 支局に到着。この時間はまだ記者さんも泊まりの人くらいしか居らず、ガランとしている。
メインスコアラーは試合開始30分前に到着が義務付けられている。9時開始の場合8時半。
内勤もそれに合わせて8時半出勤でいいはずなのに、電車の関係か時々やたら早く球場に着いてしまう人もいるようで。
「電話したんだけど内勤の人がまだ誰も来てなかった」って言われるのもシャクなんで、負けじと早く来るよう心がけてる。
ホッと一息つき、自販機でココアドリンクを買ってきて、さあ朝ご飯でも食べるか…
と思うと球場からの電話が鳴る。あう〜(泣)
そりゃメインに遅刻されるよりはマシだけど、早いよ〜!ご飯食べさせてよ〜。
電話を受けてスコアラーの出席を確認し出勤記録をつけ、その球場の今日の対戦カード表を送る。
すると今度は向こうから天候報告や試合予定のFAXが送られてくる。
受け取ったらFAX送受信リストに○をつけて球場別に仕分け。
そうしてるうちに今度は別の球場から電話が来る。いっぺんに二つの電話が鳴りだすと大変。
他の内勤ズも早めに次々ときてくれるから「助かった〜」と思う。
8:30 正式に仕事開始の時間。結局まだ朝食食べれず。
各球場から第一試合の先発メンバー表が届く。先攻・後攻を確認して壁に貼ってある大きなイニングスコア用紙にチーム名を記入。
ランニングスコア形式で、これを見れば誰でも各球場の途中経過が一目でわかるようになっている。
9:00 各球場で第一試合開始。電話やFAXラッシュも一段落。
お弁当と一緒に球場へ送るお茶を買い出しに行く。本当は前日に買って来ておいて冷蔵庫に入れておけばいいのだけど、
何しろ数が多く、支局の冷蔵庫を居候の私たちがあまり占領するのも気がひける。
たまたま行った近くのコンビニでその店オリジナルの烏龍茶を見つけた。独自ブランドなので普通のメーカーのより少し安い。
そして大量に冷えた状態で並んでいる。最初に見た時「これだ!」と思った。
それ以来、毎朝そこで買ってくるのがお弁当係の日課となった。
領収書と、球場別に仕分けるためビニール袋を何枚かもらう。
支局に帰ってきて、ようやくちょっと落ち着いて朝ご飯を食べる。
10:00 お弁当を取りに行く。平均して毎日20個超。一人では持ち切れないので男の子に頼んで一緒に運んでもらう。
ここでも領収書をもらう。たくさんのお弁当を抱えて支局へ。帰ってきたら皆で球場別に分けて袋詰め。
袋の外に「○○球場 スコアラー2 記者さん1 カメラマンさん1」と内訳を書いて貼り付ける。
記者さんやカメラの方は毎日行く球場が変わるので、朝(もしくは前夜)のうちに電話して今日の予定を確認しておく。
そうこうしているうちにバイク便の方がやってくるので、お弁当の配送をお願いする。
バイク便の方が2人いるため、球場の方向別で2つに分ける。段ボール箱にお弁当とお茶を詰めてバイク便さんに渡す。
10時半〜45分くらいまでにバイク便さんに渡すと、各球場にちゃんとお昼時までに届くはず。
11:00 各球場からは3イニング終了ごとに得点経過の報告電話が入る。
内勤はそれを受けて壁の大イニングに記入。実は私はこの仕事が一番好き。
注目の試合や白熱した試合は報告が来るのが楽しみで、内勤ズは結構盛り上がる。
電話を受けた人が「○○高校、1回から0、0、3。後攻の△△高校、0、1、1。3−2で○○高校がリードね」と読み上げ、
壁側に座ってる人がそれをイニング用紙に書き取る。試合によっては横で見てる内勤ズが「おお〜」と感嘆の声をあげることも。
お弁当係は「お弁当通信」を作り始める。
各球場、第二試合のメンバー表が出始める。朝と同様、先攻後攻を壁の大イニングに記入。
そうこうしているうちに第一試合が終わる球場も出てくる。電話で報告を受けたら、1回から最終回まで得点経過を復唱して確認。
すぐにイニングスコアを記入して送ってもらう。
それを受信後、今度はこちらから本社に「○○6−5△△」のような形に書き換えたトータルスコアというものを送る。
20〜30分したら球場から終了した試合のスコアが送られてくるだろう。
スコアチェック陣は第一試合のスコアが届く前に早めにお弁当を食べ始める。
12:00 お弁当通信を各球場に送信。それから皆より少し遅れてお弁当を食べ始める。
第一試合のスコアが届く。先にお弁当を食べ終えた者からチェックを始める。
続々と試合が終わったり、次の試合が始まったり。
13:10 夕刊締め切りの関係で、各球場この時点でのイニングスコア用紙を送信することになっている。
中途半端な埋まり方のイニング用紙が届く。送ってこない(たぶん忘れていると思われる)球場には電話して催促。
ちらほらとお弁当通信の返事が届き始める。
14:00 試合途中、スコアラーが判断に迷う場面があると内勤に質問の電話もかかって来る。
だから内勤の机の上には「公認野球規則」が必ず置いてある。
静かだった午前中がウソのように、午後は電話とFAXとスコアチェックに追われ、あっと言う間に時間が過ぎていく。
スコアチェックは1試合につき最低3人がチェックをし、その3人がそれぞれ見つけた間違いや疑問点を突き合わせて箇条書きにする。
それから球場に電話してその試合をつけたスコアラーにその時の状況などを聞いて確認。
訂正箇所を全てわかりやすくまとめて「スコア訂正」として内勤から各社にFネット送信。
今日送受信した全てのFAX書類(13時10分の夕刊用報告は除く)は全て試合ごとにまとめてクリップで留め、球場別に分けたBOXに
入れておく。
15:00 主に内勤男性陣はスコアチェック専門。女性陣はスコアチェックもしつつ、テーブル入力もする。
試合が終わりイニング用紙が到着した時点でそれを見てイニングスコアは入力できる。
その後、スコア訂正まで終わったスコアシートを見てテーブル(○打数○安打○打点などの数字が入った成績)を入力。
イニング・テーブルを打ち終えたら2人1組で読み合わせ。入力間違いがないか確認してから本社へ記事送信。
全球場の試合が終わるまで、ひたすら電話応対とスコアチェック、入力、読み合わせの繰り返し。
17:00 試合を終えた球場から順にメインスコアラーが帰ってくる。
帰ってきたらまず球場に電話をかけ、待機しているサブの子を帰宅させる。この時サブの勤務時間表記入も忘れずに。
メインは自分の球場で行われた試合の訂正用紙を見て、持って帰ってきたスコアシートの原本を直す。
その後は内勤同様、スコアチェックや読み合わせをしてもらう。
18:00 お弁当係は夜食の買出しへ。これまた一人では荷物が持てないので誰か男手を連れていく。
近くにデパートが数軒あるので、そこの地下でおにぎりやサンドイッチ、惣菜などを買い込む。
なるべくワンパターンにならないよう、かつ栄養バランスも考えて頭を悩ませながら店を回る。
20:00 手の空いた人たちから順に、夜食を食べてもらうことに。支局の応接室を借りてそこに食べ物を広げる。
応接室は全員一斉には入りきらないし、本社から電話連絡などもあるので二手に分かれて交代で食べる。
外勤の方が先に帰るため、第一班は外勤中心のメンバー。
内勤の女の子は何だかんだやってるうちに最後になることが多いんだよね。
本日の主食はサンドイッチ。私の食べたかった抹茶クリームサンド、とっておいて欲しいな…
20:40 食べ終えたら後片付け。ゴミをまとめ、借りた支局の食器類を洗う。
こういうのを率先するのもお弁当係。2コ上のお弁当係だった先輩がお弁当日誌に「西の主婦」と書いてたけど、気分はまさにそんな感じ。
最初は女の子が食器洗いしてたけど、最近は男の子も手伝ってくれる子が多くなってきた気がする。
積極的に手伝おうとしてくれる後輩はここでかなり好感度UP(笑)
ちなみに残った夜食、周りの記者さんにすすめたりもするけどたいていは遠慮されてしまう。
そういう時は一人暮らし組を中心に「持って帰らない?」と分配作業。これで食費が結構浮いてる子もいるらしい?
21:00 読み合わせも一段落したら、外勤組は帰宅。勤務時間表を記入して帰ってもらう。
皆さん、明日もまたよろしくお願いしま〜す☆
21:10 今日使った書類の整理と、明日の準備。
ヤグラを見て球場ごとに明日の試合予定を確認し対戦表作り。
別刷りの登録メンバー表を対戦試合ごとに並べてコピー。両チームのメンバーを見て、同じ名字の選手がいる場合はマークをつける。
これで、スコアラーに注意を促すわけ。同チームだけでなく、相手チームに同姓がいる場合もあるので注意してチェックしていく。
球場別に分けたBOXの中には今日一日で送受信したFAXの束。重要なものが混じっていないか確認しながら処分。
一日で結構な量のゴミが出る。
スコアシートの原本は、球場別に封筒に分けて保管。壁の大イニングは外して、(使うことはほとんどないが)一応保管。
明日の分の大イニングを用意して貼り替えておく。
お弁当係は合間を見て記者さんに明日の行動予定(どの球場へ行くか)を聞いてメモしておき、
今日一日で使ったお金の計算&領収証をまとめる。
そして、悲しい作業…敗戦校のメンバー表処分。
対戦表作りのときに使ってる、学校別の登録メンバー表(別刷りを切り抜いて厚紙に貼ったもの)。
勝った学校の分は次も試合があるので球場別に分けて保管。負けてしまった学校のカードはもう使うことがない。
けれど、簡単に捨ててしまうのは何だか忍びない気がして、敗戦校専用の封筒に入れてそれもとっておくのだ。
決勝でたった一つの「最後まで負けなかった学校」が決まるまで、その封筒は毎日ふくらみを増していく。
21:40 本社から「最終の刷りが出るから送るね〜」と電話が来る。
それが出てきたらコピーして、再び2人1組で読み合わせ。何度も繰り返してるけど、見落としのないよう集中して。
これがこの日最後の読み合わせだと思い、気合いを入れ直しながら。
22:00 読み合わせを終えた。どうやらミスはなさそうだ。
本社に電話してOKですと報告。それをもって支局のお仕事は終了。
本社組はまだ帰れないんだけど、お先に帰らせてもらいます☆
22:10 支局内勤組、帰りまーす!支局に残ってる記者さんに挨拶して、皆でとことこ駅まで歩く。
駅ビルのお店は今日もとっくに営業終了。それどころか駅入り口のエスカレーターももう止まってる(汗)
内勤は比較的支局から近いところに住んでいる面々が多く、帰り道もほとんどが同じ路線だったりする。
行きは結構バラバラだけど、帰りは集団下校(?)状態。
帰りの車内は皆疲れて黙ってることが多い。暗い学生さんたちです(笑)
でも、今日も電車で帰れてよかったよね?
遅くなると、時計とにらめっこしながら支局に置いてある時刻表で終電の時間調べて皆で駅までダッシュしたり、
それすらも無理な時間になると恐縮しながらタクシーでのご帰還に…
記者さんにタクシー券切ってもらうと、なんだかすごく申し訳ない気分になる。
そんな小心者でつつましい(?)内勤ズ、タクシーの場合、できる限りの相乗りで帰ります。
最大で4人、助手席までフルに乗り込んで帰ったことがある(笑)
タクシー券はなるべく使わない!が合言葉。
本日もどうにかこうにか、無事にスコバイを終えました。
明日も朝早いけど、頑張ろう!
記憶を頼りに一日の流れを書いてみました。私は支局組だったので本社とはかなり違うところがあると思いますが…
そして、内勤で22時帰宅って、早い方ですよね。
当時の手帳見ても、明らかに平均帰宅時間はもっと遅いんですが…ま、いいでしょう。
スコバイを経て、次は夏合宿。
どんどんスポの伝統(?)行事を経験していきます。
→若葉の頃へ