8月30日(月) 遠征3日目 雨のちくもり、深夜は暴風雨

第一試合のJTvs三菱重工名古屋を見るため、今日も朝からドームへ向かう。
日程的に、今大会でJTを見られるのは今日が最初で最後。
ドームでの最後の夏、しっかり目に焼き付けるぞ。

中に入る前に、選手名鑑などがあれば欲しいなと思い応援受付へ。
すると、名鑑・うちわの他にメガホンと帽子、さらにメガホンに貼るシールまでもらってしまった!
あまりに豪華な応援グッズにビックリ。本当にこんなに色々もらっていいんだろうか…
でも、「こんなに豪華なグッズも、今季で最後だからなのかな」と邪推したり、
「これだけこういう部分にお金をかけられるぐらいなら廃部にしないで…」とつい思ってしまう。ごめんなさい。
超豪華



チームカラーの緑で統一された選手名鑑、帽子、うちわ、
メガホン、そして応援用シール。
シールには首脳陣・補強選手・マスコットガールも含め
ベンチ入りメンバー全員の名前と背番号が。



今日対戦する三菱重工名古屋は1年前、日生と大ガスが苦杯をなめた相手(昨夏の観戦記参照)。
案の定、スタメンには見覚えのある名前が並んでいる。
そして、重工といえば…今年もいましたビーバー。相変わらず可愛いぞ☆
今年はなぜか、去年かぶっていた帽子が頭のてっぺんになかった。なんでだろ。
今年もビーバー♪



今年も会えたよビーバー。
やっぱり、重心の関係で心もち後ろの壁にもたれ気味(笑)
JT−重工名古屋スタメン


両チームのスタメン。
重工名古屋は去年目にした名前が多い。



1回表、JTの攻撃。
先頭の佐藤がヒットで出塁し、二番谷口の送りバントで二進。三番原野のタイムリーで先制!
理想的な攻撃でJTが幸先のいいスタートを切ったかに思えたが、
その裏、重工名古屋も一死満塁から池田の犠飛ですぐ同点に追いつく。

2回表、JTはこの回も先頭の村田がヒットで出塁。
送りバントの後、八番門奈のセーフティバントが決まり一死一、三塁に。
ここで九番金谷がセンター前へ勝ち越しのタイムリーを放ち、2−1。
重工は早くもここで投手交代。川村に代わり白倉がマウンドへ。
打順は一番に戻り、佐藤はライトへのヒット。走者は三塁ストップで満塁に。
谷口が三振で2アウトとなり、三番原野。
「またいい場面で原野さんに回ってきたねぇ〜」などと言っていると、今度はレフト線へのタイムリー二塁打!
走者2人が還り、4−1とリードを広げる。
この試合、原野はこの後もことごとくいい場面で打席が回ってきた。その巡り合わせの良さも、なんとも千両役者だなと思う。
JTが先制




1回表、原野のタイムリーでJTが先制。
ホームへ還って来た佐藤と、次打者の江井(えねい)。
ミスターJT


JTの三番・原野。
プロ野球界でも40歳を超えて現役を続ける選手は数少ない中、
原野は今年で社会人23年目、41歳。
ずっとこの緑のユニホームで激戦を戦い抜いてきた。
今季、チームの解散とともに現役生活にピリオドを打つことを決めている。
補強選手としての出場も含め、14回目の都市対抗。
誇り高き「ミスターJT」に敬意を表したい。



この夏のJTは、熱い。
最初は、初回の攻撃を見たときに。次に応援席を見て、そう感じた。
JTの選手たちは、初回から積極的に打っていった。
打って一塁へ駆け出す姿一つとっても、何か気迫を感じる。
チームは今季限りでの解散が決まっている。泣いても笑っても最後の夏。最後の東京ドーム。
彼らを応援するスタンドも、熱気に満ちていた。
応援のメガホンや帽子はチームカラーの緑で統一されている。
落ち着いた色みのため、スタンドの色合い的にはやや地味に思えるが、声援はそれとは逆に熱くにぎやか。
応援の声が外野の壁にはね返り、こだまして聞こえる。スタンドが揺れている―そう感じた。

大声援を受けて、試合はJTが突き放しかけたものの、重工名古屋も昨夏ベスト8の手強い相手。
3回裏、ヒットで出塁の東を二塁に進め、松葉がセンターオーバーの二塁打を放ち4−2とする。
さらに5回裏、二番澤井のライト線への二塁打をきっかけにもう1点追加し、4−3と1点差に迫った。
まだ試合は中盤。これからどんな展開になるか全く読めない…。

自チームの反撃で、重工名古屋の応援も盛り上がる一方。
ここの応援団は、とにかく曲のレパートリーが豊富だった。
序盤にZARDの「負けないで」が演奏され「懐かしいね、この曲はいつ聴いてもいいよね」と話していたが
その後も続々と色々な曲が繰り出される。
B’zの「ultra soul」、大塚愛「さくらんぼ」、松浦亜弥「桃色片想い」、光GENJI SUPER5の「勇気100%」、
サンバデジャネイロ、そして最近リバイバルでよく耳にするようになった嶋大輔の「男の勲章」などなど。
このレパートリーの多さはすごいなぁ…
高校野球でおなじみの「アッコちゃん」「狙いうち」「RUNNER」もあり(「狙いうち」はJT側の応援だったかも)
10日ほど前までやっていた甲子園の気分が蘇ってきた。
先発・能島



JT先発の能島。
三塁側からの大応援を正面に受けて。
二番手で登板した福家




二番手で登板した福家。
5回裏一死二塁の場面で能島をリリーフ。



試合を見ていると、なぜか気になる選手というものに出会うことがある。
「プロ注目」とか「鳴り物入りでやって来た期待のルーキー」といった派手な触れ込みがなくとも、
(むしろ普段、あまりそういった観点を中心に見てはいないし…)
何でもないごく普通のプレーをしていても、なぜか視線を奪われる選手がいる。
理屈じゃない。ただ気がつけば自然とその選手を追っている。そんな経験、ないだろうか。

今回もそんな心惹かれる選手に出会った。
JTの門奈雄虎(もんな・たけとら)捕手。
以前から選手名鑑では「珍しい名前だなぁ」と思って見ていたけど、試合でじっくり見るのは今回が初めての気がする。
最初の印象は「大きい捕手だなぁ」。
184センチ・78キロ。背が高いので、投球が多少高めにすっぽ抜けても手を伸ばしてきちんと受け止められる。
なぜか彼を見た瞬間すぐに「ぴよたまちゃんが見たら気に入りそうな選手だ…」と思った。
「体格とか、何だかぴよたまちゃん好みの選手かもね〜」と、本日不在の友人の名を挙げて語る我ら。
私が特に気に入ったのは、門奈さんのキャッチング。何かいかにも捕手らしい良い雰囲気を持っていて好きだ。
守備中に投手をリードするときはもちろん、攻撃中にベンチ前で投手とキャッチボールするときも。
雰囲気が云々なんてのは個人の主観的なものだけど、私は自分の野球勘を信じる(笑)。
門奈さん




今日のイチオシ!門奈さん。
この構図(ベンチ前でキャッチボールしてるときの横顔)が特に雰囲気あって素敵。
何というか、キャッチャーらしいキャッチャーという感じ。
半田さん



7回から一塁守備に就いた半田さん。
プレーを見るのは昨秋のオール早慶戦以来。
昨秋のエラーの記憶も一瞬脳裏をよぎったけど(爆)
今日は無難な守備を見せてくれました。
走る走る、竹澤〜♪


背番号25、竹澤。彼も高校時代から見ている選手。
高校時代は捕手だったなぁ。大学で外野手に転向して現在に至る。
今回はずっと一塁コーチをやっていた。
守備から戻ってくるナインをベンチ前で笑顔で迎えた後、
ホームベース後方から、(なぜか)少しふくらみをつけて一塁までダッシュしていく。
気持ちいいくらい軽やかにダッシュ。
ええ、おかげで捉えきれずにピンボケしましたとも(泣)



試合は6回以降少し落ち着いたかに見えたが、8回に再びヤマ場がやって来た。
8回裏、重工は一死から五番池田が右中間にフェンス直撃の二塁打。一打同点のチャンスを迎える。
もう終盤。ここで同点、あるいは逆転されると流れは一気に向こうへ行ってしまう。
しかしここで、7回から登板した左腕・中村(補強選手・三菱製紙八戸クラブ)が踏ん張る。
六番本多、七番永野を連続三振に斬ってとり、ピンチを切り抜けた。
永野を三振に仕留めた瞬間、マウンドで中村が吠えた。拳を握った腕をぐっと引き、ガッツポーズを見せる。
ベンチ前に戻ると、ナインと力強くハイタッチを交わした。
今大会で印象に残った左腕


中村渉。今大会、JTが選んだ唯一の補強選手。
熱いチームにやって来た熱い補強選手。
そのピッチング、マウンドでの闘志。見ているこちらの気持ちも熱くなる。



1点差のまま、試合はいよいよ9回裏へ。
重工名古屋は代打攻勢。一死から代打・昆野が内野安打で出塁したが、もう見ていても不安はなかった。
中村なら大丈夫、抑えてくれる…。
そう信じたとおり、一番・東を三振。二番澤井の打球はセカンド上空に高く打ち上がった。
ボールが落ちてくる。グラブに収まる―。
その瞬間、スタンドの歓声とグラウンドの選手たちの喜びが爆発した。
中村は打球の行方をしっかり確認してからホームベース側へ歩み寄り、門奈とハイタッチ。
…したと思うんだけど。ナインがあっという間にベンチから飛び出してきて、スタンドは歓声で沸き、
私は私で歓喜の瞬間を撮りたい気持ちと喜んで拍手したい気持ちが半々でどっちつかずの状態になり、
結局その場面は撮れてない(予想通り、これまでで最大級にイキがよすぎる何かが写っていた)。

8回・9回…たぶん、8回裏に中村が連続三振を奪って吠えた頃からかな。胸がキュッとせつなくなった。
JTってこんなに素敵なチームだったんだ。
今までずっと、何となく見てきた。対戦相手が自分の好きな大ガスや日生だったときはそちら寄りの応援もしてた。
けれど今目の前で戦っているこのチームは本当に素敵で、心から応援したいと思う。
そうやってせっかく魅力にハマったばかりだというのに、もうすぐこのチームはなくなってしまうなんて。
今からでも遅くない、誰か「チーム解散はウソでした」って言ってくれないだろうか。
そんなことすら本気で考えてしまう。いっそ今、時間が止まってしまってもいいのにと思った。

試合は終わった。初戦突破。
JTの夏はまだ終わらない。
けれどこの1勝は、夏の終わりへ向けて砂時計がひっくり返されたことを告げる合図でもあって、
喜びとともにせつなさも募った。
喜び爆発



試合終了。
グラウンドで歓喜に沸くJTナイン。
JT勝利

JTの勝利を告げるスコアボード。
彼らの熱い夏はまだ続く。

第二試合はJR東海とNTT西日本の対戦。
都合により途中までの観戦となりましたが、ともに初めて見るチームでワクワク。
その後はスポの仲間たちと久々に再会すべく渋谷へ…☆

第二試合と渋谷ハチ公口へ