黒獅子よ、晩夏に吼えろ!
〜so late summer, so hot summer 2006 〜

夏です。野球の季節です。
白昼の青空の下、高校野球?それともビール片手に、ナイターでプロ野球?
いやいやそれだけじゃない。年に一度の都市対抗野球もあなたを待っていますよ。
不況による企業チーム数の減少や、親会社の事情による活動自粛など、
残念ながら社会人野球に関しての悲しいニュースは今も途絶えることがありません。
けれどその一方で、今年は企業チームの新規参入もありました。また、各地でクラブチームも増加しています。
社会人野球界にも新しい波が押し寄せようとしているのかもしれません。

高校球児が甲子園を目指すように、夏の東京ドームを目指して日々汗を流している大人たちがいます。
白球を追うその目には、年齢も環境も関係ありません。
高校野球の熱戦が終わる頃、入れ替わるように始まる少し遅めの夏。
今年も、そんな大人たちの熱い戦いを見に行ってみませんか?

☆第77回都市対抗野球大会
2006年8月25日〜9月5日の12日間、東京ドームで開催。出場チーム数:32

☆各地区の2次予選進行状況  

地区(代表枠数) 代表チーム名(所在都市)
北海道(1) JR北海道(札幌市)
東北(2) 第一代表:JR東日本東北(仙台市) 第二代表:TDK(にかほ市)
北関東(2) 第一代表:住友金属鹿島(鹿嶋市) 第二代表:富士重工業(太田市)
南関東(2) 第一代表:ホンダ(狭山市) 第二代表:JFE東日本(千葉市)
東京(3) 第一代表:NTT東日本(東京都) 第二代表:JR東日本(東京都)、第三代表:明治安田生命(東京都)
神奈川(3) 第一代表:東芝(横浜市) 第二代表:三菱ふそう川崎(川崎市) 第三代表:日産自動車(横須賀市)
関東(1) 日本通運(さいたま市)
東海(6) 第一代表:西濃運輸(大垣市) 第二代表:トヨタ自動車(豊田市) 第三代表:ホンダ鈴鹿(鈴鹿市)
第四代表:ヤマハ(鈴鹿市) 第五代表:三菱自動車岡崎(岡崎市) 第六代表:JR東海(名古屋市)
北信越(1) 伏木海陸運送(高岡市)
京滋奈(1) ニチダイ(京田辺市)
大阪・和歌山(3) 第一代表:松下電器(門真市) 第二代表:大阪ガス(大阪市) 第三代表:日本生命(大阪市)
兵庫(1) 新日本製鐵広畑(姫路市)
近畿(1) 新日本製鐵広畑(広畑市)
中国(2) 第一代表:三菱重工広島(広島市) 第二代表:伯和ビクトリーズ(東広島市)
四国(1) JR四国(高松市)
九州(2) 第一代表:JR九州(北九州市) 第二代表:三菱重工長崎(長崎市)

☆都市対抗って何?
社会人野球は春先から様々な大会がありますが、中でも特に大きなものが3つあります。
都市対抗、クラブ選手権、日本選手権。これがいわゆる3大大会です。
都市対抗はその中でも最も出場チーム数が多く、期間も長いです。
その規模の大きさや応援の派手さなども相まって「社会人野球の真夏の祭典」と言われています。

☆都市対抗の基礎?知識
1.補強選手制度
  この大会だけの独自ルールが「補強選手」制度。
  各代表チームは、予選で敗退した同地区のチームから選手を借りることができます。
  これは、この大会が企業対抗ではなく「都市」対抗であるからです。
  都市ごとにベストチームを作って臨ませるという発想ですね。

  補強できるのは各チーム5人まで。また、補強選手を選ぶ際は、代表決定順に優先権があります。
  例えば昨年の大阪・和歌山地区の場合、日本生命が第一代表、NTT西日本が第二代表だったのですが
  まず最初に日本生命が同地区で予選敗退したチームから欲しい選手を選び、次にNTT西日本が選ぶ、という方式です。
  きっちり5人選ぶ必要はありません(「補強0」で臨むところもたまにあります)が、
  だいたい各チーム平均して3人くらいは補強しているのではないかと思います。
  補強選手は、当然その補強先のチームのユニホームを着るので、普段と違うユニホーム姿を見る貴重な機会でもあります(^m^)
  もちろん、選手としては自チームのユニホームで出たいというのが本音だと思いますが…。

2.黒獅子旗
  「真紅の優勝旗」といえば夏の甲子園、「紫紺の優勝旗」といえば春の選抜ですよね。
  都市対抗の優勝旗は「黒獅子旗」と呼ばれ、その名の通り、黒い獅子がデザインされています。
  また、準優勝チームには「白獅子旗」、準決勝で敗退した2チームには3位として「黄獅子旗」が贈られます。
  さらに優勝チームは、覇者の証として、1年間、ユニホームの袖に黒獅子のエンブレムをつけることができるのです。
  ちなみに、秋の日本選手権の優勝旗は「ダイヤモンド旗」と呼ばれています。

3.橋戸賞・久慈賞・小野賞・若獅子賞
  決勝戦後の閉会式で発表されるこれらの賞。
  橋戸賞というのは最高殊勲選手賞、いわゆる大会MVPです。
  都市対抗野球の生みの親である橋戸信(頑鉄)氏の名に由来しています。
  久慈賞は、敢闘賞。こちらは、試合中、頭部に送球を受け亡くなった名選手・久慈次郎氏の名に由来。
  小野賞は、都市対抗の育ての親・小野三千麿氏の名から来ており、その大会で素晴らしい活躍をしたチームや選手に贈られます。
  若獅子賞は、その名が示す通り新人賞。この他、打撃賞と首位打者賞もあります。

4.連続出場表彰
  都市対抗では、10年連続出場を達成した選手を表彰しています。
  一口に10年と言うのは簡単ですが、実際はとても大変なことだと思います。
  チームとしての連続出場記録を見てみると、今大会では日本通運・日本新薬の6年連続が最長です。
  つまり、ここ10年連続でドームへ行けたチーム自体がないわけです。
  予選では一発勝負のトーナメント方式を採用する地区も多く、
  どれだけ強いチームでも、○年連続出場というのは難しいという事実を物語っています。
  しかし、補強制度があるため、仮にチームが出られなくても個人の連続出場記録を伸ばすことは可能です。
  連続出場がかかるということは、それだけ強いチームの中心選手として長く活躍しているわけですから
  他チームから補強選手として必要とされる可能性も高まります。
  これまで、補強での出場を挟みながら節目の10年を迎えた選手たちも数多くいます。
  表彰式を見ていると、なるべく多くの応援している選手たちに、この日を迎えてほしいなと思います。
  今年はどのチームのどんな選手が節目の年を迎えるのか?
  もし見に行った試合でこの表彰式があったら、彼らの10年にぜひ温かい拍手を送ってあげてください。
    

☆大会組み合わせ(各チーム初戦分)  7月23日、組み合わせ決定!!

8月25日(1日目) 東芝(川崎市)−ヤマハ(浜松市)
  26日(2日目) 日本生命(大阪市)−住友金属鹿島(鹿嶋市)
伏木海陸運送(大阪市)−NTT東日本(東京都)
三菱重工広島(広島市)−JR東日本(東京都)
  27日(3日目) 日産自動車(横須賀市)−富士重工業(太田市)
トヨタ自動車(豊田市)−三菱重工長崎(長崎市)
JR九州(北九州市)−西濃運輸(大垣市)
  28日(4日目) JFE東日本(千葉市)−日本新薬(京都市)
JR四国(高松市)−新日本製鐵広畑(広畑市)
三菱ふそう川崎(川崎市)−明治安田生命(東京都)
  29日(5日目) 大阪ガス(大阪市)−JR東日本東北(仙台市)
日本通運(さいたま市)−ホンダ鈴鹿(鈴鹿市)
松下電器(門真市)−JR東海(名古屋市)
  30日(6日目) 伯和ビクトリーズ(東広島市)−TDK(にかほ市)
JR北海道(札幌市)−三菱自動車岡崎(岡崎市)
ホンダ(狭山市)−ニチダイ(京田辺市)

※大会初日のみ、17時より開会式。その後、第一試合18時30分開始。
試合開始時刻は、第一試合10時、第二試合14時、第三試合18時。
準決勝は第一試合14時、第二試合が18時。最終日(決勝戦)は18時開始予定。




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